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鈑金と板金の違いは?

板金も鈑金も同じ?

車のボディを彩るのは、町の鈑金屋であるのは言うまでもないでしょう。どこかに良い鈑金屋がないか、調べている最中かと思います。調べていると「板金」と書かれている、業者も少なくありません。内容は同じであるものの、文字が違う。
一体何が違うのか?愛車を任せる以上は、把握しておきたいもの。「鈑金」と「板金」の違いについて、掘り下げてみました。

漢字が違うだけ!?深すぎる意味があった

「鈑金」と「板金」の違いは、漢字です。「そりゃそうだ」という声が聞こえてきそうな回答になりましたが、重要な意味がございます。「板金」は「木へん」で「鈑金」は「金へん」です。
木へんの「板」は、木材を平らにした物を指します。木材でなくても、平らになった状態をさして「板」と言います。似たような漢字で「版」があります。「版」は文字を書くための板です。金へんの「鈑」は、うすく打ち伸ばした金属を言います。ある世代以上の方であれば「いたがね」と、呼ぶ方もいらっしゃるでしょう。「いたがね」は「鈑金」のことなので、間違いではありません。「鈑金」も「板金」も意味は同じですが、仕事内容を考慮すれば「鈑金」が正しい書き方と言えます。

消えゆく「鈑金」屋

しかし「鈑金」と銘打っている業者は、ほとんど見かけません。「鈑」という文字が、常用漢字として使われていないからです。
常用漢字とは、法令・公文書・新聞」雑誌などで使うのに相応しいとされる漢字をさします。街中で見かけるポスターや商品の名前には、常用漢字がふんだんに使われているのです。しかし一時的に常用漢字そのものの消滅が、危ぶまれたこともありました。つまり「鈑金」という言葉がなくなり、英語表記の「Sheet metal」になっていたかもしれません。

鈑金は誇りの証

数はかなり少なくなってきたものの、今も「鈑金」の看板を掲げている所があります。遠賀郡にある鈑金塗装は、日本全国から見ても珍しい部類に入るでしょう。
公文書でも使えない「鈑金」という文字を使うのは、強いこだわりがあってのこと。「鈑金」は、大昔から培ってきた技術に絶対的な自信の現れです。